イベント業界アカデミー 第6回
<イベントの方程式ー受付>

<イベントの方程式とは>

このサイトの記事を読んでいる方は、イベント業界の中身も少しずつ分かってきていただけたかと思います。イベント業界で働いている人は、他の業界と同様にある「方程式」を元に業務を進めていることが多いです。
方程式というと理系な発想になりますが、言い換えれば「セオリー」とも言えるかもしれません。しかしそれはまた人により違うものであり、常に正解が状況により変化するものでもあります。

あるセオリーを基準にしながら、最初のうちは試行錯誤を繰り返し、徐々に自分の基準となるマイセオリーが出来上がってくると思います。
以下の記事を読んで、まだマイセオリーが出来てない方々の一助になればと思います。

※長文(読了7〜10分程度)です。時間がある時にお読みください。
テキスト形式になってますので、講義として読んでください。
パソコンでご覧いただくことを推奨します。
受付の方程式
イベントにおいて「受付」は外すことの出来ない重要なポジションです。案内業務や問合せ、迷子や落とし物まで多岐にわたるため、イベントの全体を把握出来、関係各所への連携能力が求められる場所です。

あなたが「イベントの受付」と聞いて、どのようなものをイメージされますか?
きっと机の向こう側に女性が数名立っているものが一般的ではないかと思います。

それでは、その受付の女性は何名くらいをイメージされますか?
2名?5名?20名?
きっとそれほど多くない人数を思い浮かべる方が多いかと思います。
今日の方程式は「受付」です。
それでは早速ですが、問題です。
■問題
1500名のパーティーが開催されます。 主催者より「受付スタッフは何名必要ですか?」と聞かれました。

Q1:クライアントに確認すべき条件は何ですか?
Q2:受付スタッフは何名必要ですか?
■解き方
運営会社の人や、制作会社の人はすぐに答えが導き出せると思います。
この答えが出せるような方程式を考えていきましょう。

まず、運営という立場に立った時、気になるのは「時間」です。
「何名必要ですか?」と聞かれた際に、慣れている人は、
「受付時間はどれくらいありますか?」と問います。

その質問に至るイベント屋の脳内を見てみましょう。

「1500名」 → パーティーとしてはそこそこ大きいな
「パーティー」 → 「開場時間」から「開演時間」までの「受付時間」が存在する

  開場      開演        終演
  ●——受付——▷●——本番——▷●

という発想が瞬時に出てきます。

それと共に、受付場所があるロビー(といっても、どこかも分かりませんが)の混雑しているイメージがきっと浮かんでいることでしょう。
イベント屋は全てにおいて「スマート」であることが必須です。
そのためにはまず、「時間」が重要なカギになることを理解しましょう。

つまり、「(一定の)時間内に、1500名の対応をしなければならない」と思うことです。

そのため、[受付時間 ÷ 来場者人数(1500名) = 対応可能時間] という式が生まれます。

Q1としての解答は「時間(受付時間)はどのくらいありますか?」となります。

それでは、受付時間は1時間と設定して次の質問に移りましょう。
■前提の考え方
上記のことから、
[ 60分 ÷ 1500名 = 0.04分(対応可能時間) ] となります。
つまり1窓口で対応した場合、来場者1名に対し、0.04分=2.4秒となります。
分かりにくい方は下記を参照下さい。

60秒の1.0 = 1秒
60秒の0.1 = 6秒
60秒の0.01 = 0.6秒

(0.01=0.6)×4=2.4秒

さて、1人で2.4秒・・・「いらっしゃいませ。招待状を拝見いたします」と言っている間に終わりますね。

つまり、有り得ないわけです。
それでは、窓口数=受付スタッフ数が10になったらどうでしょうか。

[ 60分 ÷ (1500名 ÷ 10窓口) = 対応可能時間/0.4分 = 24秒 ]

24秒あれば招待状を受け取って、入口をご案内するくらいは出来そうですね。
しかし、これでは、来場者から質問があった場合は対応できません。
「トイレはどこですか?」
「クロークはありますか?」
「営業の○○さんを呼んでいただけますか?」などです。
■受付方法の確認
実際に1500名の受付をスムーズに行うためには、対応時間以外に確認すべきことがまだあります。

それは「受付方法」です。

先程、「受付時間はどれくらいありますか?」という問いがありましたが、
次に聞く質問は「受付方法はどのようなものですか?」です。

イベント屋の脳内ではいくつかの受付パターンが存在しています。

・QRコードを読み込むだけのパターン(最も短いパターンの受付)
・招待状を受け取るだけ
・招待状を受け取って、配布物をお渡しするパターン
・名刺を受け取って、名簿から探してチェックした上で、名刺を名刺フォルダに入れて、配布物と共にお渡しするパターン。
・招待状を受け取って、リストから席番号を確認して、その席番号の札を探して、リストにチェックした上で、配布物と共にお渡しするパターン。

などなど。。。
その受付方法によって、1名当りの最低対応時間が変わります。

今回は例として、
・受付方法は「招待状を頂戴し、名簿にチェックした上で、配布物を渡す」としましょう。
 1人あたり、約30秒とします。
■まとめ
それでは、まとめです。

Q1:問うべき条件は何ですか?

   A1:受付方法はどのようなものですか?=一人あたりの受付時間
   A2:受付時間は何時間ですか?

上記の質問により、解を導く要素が出ます。
「来場者人数」「対応時間」「受付時間」の3点です。

Q2:受付スタッフは何名必要ですか?

上記の要素3点を下記の方程式に当てはめます。

受付窓口数(x)=(来場者数(p) x 対応時間(m))/受付時間(t)

来場者人数×対応時間=総対応時間

1500名 × 0.5分(30秒)= 750分

総対応時間÷受付時間=窓口数

750分 ÷ 60分 =12.5窓口

<検算>
1対応に30秒かかったら1時間で120名対応出来る。
1人が1時間で120名対応すると1500名を対応するには12.5窓口が必要
(1500名÷120=12.5窓口)

という計算式になります。
方程式と呼べるほど高度なものではありませんが、
クライアントに
「1500名のパーティーが開催されます。何名受付スタッフが必要ですか?」と聞かれた場合に、確認すべき条件と窓口数はザックリと出ますね。
■余裕を持つこと
ただし、この方程式は1時間丸々かかる計算です。

もし、余裕を持って受付を終わらせる、またはイレギュラー対応があっても対応できる余裕を持つ場合は8割程度の時間で計算しましょう。

つまり受付時間を60分で考えるのではなく、50分程度で終わらせるイメージです。

来場者人数×対応時間=総対応時間
1500名 × 0.5分(30秒)= 750分

総対応時間÷受付時間=窓口数
750分 ÷ 50分 =15窓口

という考え方です。
でも、実際には15窓口なんて作りません。
そのままクライアントに「15窓口必要ですね!」と言うと、「そんなにいるの?!」となるでしょうから、

「単純計算で15窓口が必要になってしまいますが、難しいのであれば、受付時間を伸ばすか、受付方法をスマートに出来るよう調整しましょう」と提案することになります。

無理な条件で現場に入り、全員の受付が終わる前に開演時間になってしまうと、「まだ受付終わらないのか!?」と怒られるのは結局運営側です。
■最後に
実際に事前に計ってみること(シミュレーション)が大切です。
初めてのシミュレーションはどうしても時間がかかります。
現場ではスタッフも慣れてくると、どんどん受付スピードが速くなります。
実際、上記の現場があったとしたら、10窓口でなんとかしてしまうかもしれません。
受付スタッフの慣れや段取り方法などで大きく変わってしまいます。
毎回毎回、計算通りに行くことはないですね。
とはいえ、大体が「予想より早かった」になっている気がします。

様々な現場をなんとなく過ごすのではなく、

どの作業にどれくらいの労力、時間がかかっているのかを経験則として積み上げていくように日々現場をこなしていくことが成長速度を早める要因になると思います。

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